スバルのBRZにお乗りのお客様からのご相談。
「最近発進時にクラッチをつなげるとガタガタと揺れながら動くようになった」
スバルのBRZといえばトヨタと共同開発した後輪駆動スポーツカーですが、今の時代に珍しくマニュアル車があります。
ご相談を受けた車もマニュアルの車でした。
実際に走らせてみたところ、発進時に「ガタガタガタ」と車全体が揺れるような感じになりながら発進していきます。
走りだしてしまった後に1速→2速→3速・・・とギアを上げていく時のクラッチ操作では振動は起きませんでした。
スバル BRZのガタガタ音、発進時振動。原因は?
マニュアル車で発進時に振動が起きるという症状はクラッチが大きく関係しています。
マニュアル車はクラッチという部品を使ってエンジンの動力をミッション側に伝えています。
クラッチペダルによってクラッチを繋げたり、離したり、微妙に繋げたり・・・という操作を運転手によって行うのがマニュアル車です。
今回の様なマニュアル車の発進時におきる車体振動を「クラッチジャダー」といいます。
クラッチジャダーは摩擦によってエンジンの動力を伝えているクラッチディスクの摩耗や熱による変形で発生してしまいます。
半クラッチを多用して熱が入りすぎ、走行距離がかさんでくると摩擦を発生させる当たり面が摩耗、変形してエンジンの回転を均一に受け止められなくなります。
おそらく今回のBRZも摩耗か熱の入りすぎでクラッチの調子が落ちてしまったものと思われます。
スバル BRZの発進時振動はこうして直した。
クラッチの点検にはマニュアルミッションを降ろす必要があります。
いわゆる重整備になるので、個人での作業というのはかなり難しい分類になります。
お客様にはクラッチが疑わしく、ミッションを脱着しなければ点検もできない旨を説明し、ミッションを降ろしてのクラッチ点検をしました。
結果、やはりクラッチに摩耗が見受けられたため、クラッチオーバーホールということでクラッチディスクとクラッチカバーの交換を行いました。
クラッチオーバーホール後、試乗を行ったところ症状が改善されたので修理完了となりました。
まとめ
クラッチジャダーはBRZに限らずマニュアル車全般で起こりうる不具合です。
また、クラッチの寿命はクラッチの使い方によってかなり変わってきます。
運転手の腕次第・・・という部分が大きいかもしれません。
また、今回はクラッチのオーバーホールで症状が改善されましたが、クラッチにエンジンから動力を伝えてくる「フライホイール」という部品が熱や摩耗で同時に劣化してしまっている場合もあります。
そういった場合、フライホールも修正、もしくは交換しなければクラッチジャダーが消えない可能性もあります。
作業には工賃がかなりかかる部位ですので、少し予算を多めにとっておいた方が確実に修理できるかと思います。