スバルのSJ型フォレスターにお乗りのお客様からのご相談です。
「エアコンを使おうとしたが冷たい風が出てこない」
また、エアコンをONにすると、「ジジジ・・」や「ジーー」っといった音がずっとしているそうです。
実際に症状を確認したところ、最強冷にしてもやはりぬるい風しか出てこず、ジーっといった音もします。
スバル SJ型フォレスターのエアコン不調。原因は?
確認できている症状からして、原因はエアコンのガス不足が考えられます。
最近の車はガスを入れすぎによるエアコン不調も報告されておりますので気をつけてくださいね。
エアコンのガスは下のようなものになります!
こういった「ジー」音はエアコンガスの量が足りない状態でコンプレッサーが回った時に発生してしまう音です。
ということは、コンプレッサー自体は動作しており、エアコンの制御自体は正常に行われていると考えられるのが普通です。
実際にゲージを取り付けてエアコンのガス圧を測ったところ、やはり正常値よりも低い数値がでていました。
今回のエアコンの効きの不良の原因は、エアコンのガス不足でした。
そして、気をつけないといけないのが、エアコンガスは自然に減っていくものではありません。
エアコンのシステムや配管のどこかからか漏れています。
詳しい診断をするには、「テストガス」とよばれる紫外線にあたると発行するガスをエアコンシステムに充填して、「ブラックライト」という紫外線を発生させるライトを当てて目視点検していかなければなりません・・・が設備がありません。
本来であれば専門的な診断を電装屋さんにお願いして漏れ箇所をはっきりさせた方が良いのですが、診断ガスは使い切りなので診断費用と、漏れのチェックに時間が必要になります。
まずは自分たちで漏れ箇所が無いか簡易的に点検することにしました。
エアコンガスは目で見ることはできませんが、エアコン配管の中にはガスと一緒に潤滑用のオイルが若干含まれています。
どこかからガスが漏れていた場合、ガスと一緒にオイルも漏れてきます。
油分はゴミやホコリをくっつけてしまうので、ガスが漏れた部分の周りは汚れが目立つようになるので、配管周りで油っぽくなって汚れている場所がないか点検していきます。
配管のつなぎ目ではありませんでしたが、「コンデンサー」というエアコンガスを冷却する部品の一部に黒ずんだ汚れを見つけました。
外気が当たるところなのでただ汚れた様に見えるかもしれませんが、ここだけ黒く汚れるのはエアコンガスがここから漏れている証拠です。
エアコン不調はガスが少なくなっていて、そのガスはコンデンサーからのガス漏れでした。
スバル SJ型フォレスターのエアコン不調はこうして直した。
コンデンサーから漏れが発生した場合、修理というのはなかなかできません。
基本的にはコンデンサーごとの交換が必要になります。
また、エアコンは快適装備なので、故障によって車自体が走行不能になることはありませんが、ガラスの曇りがとれなくなったり、天気の良い日にエアコンが効かないと熱中症のリスクもあります。
お客様には交換が必要であるという話をすることにしました。
修理までの間の応急処置としてエアコンガスの補充もすることにしました。
全く効かないよりはしばらく効いた方がまだ快適だろうという判断です。
そして、今回のフォレスターは比較的年式の新しい車両だったのでメーカーの保証が使えないかとディラーに相談してみました。
そうしたところ、どうもこの世代のフォレスターのコンデンサーは構造的にヒビが入りやすいらしく、今回のようなガス漏れを良く起こすことが分かったそうです。
ディーラーがヒビが入らないように構造を変えたコンデンサーを用意してくれるとの事でした。
お客様にも事情を説明し、後日保証修理としてコンデンサー交換作業を行い、修理完了となりました。
テストガスを使わず診断をしたので予後が心配でしたが、その後効き不良は再発しなかったとお客様からお話をいただき、安心しました。
まとめ
今回はエアコンのガス漏れが原因でした。
原因となった部品はコンデンサーという部品で、車の前方に取り付けられています。
コンデンサーはこういった部品本体のヒビや配管とのつなぎ目から漏れたりすることもあるのです。
事故で前側をぶつけてしまった場合にもダメージが入り、漏れが発生することもあります。
「以前車をぶつけてしまって、バンパーだけ交換してもらったけどなんだかエアコンの調子も悪くなった・・・」
というような方は、コンデンサーに損傷がないか確認してみてもいいかもしれません。
また、今回記事内でお話した簡易的なチェック方法であればコンデンサーでなくともエンジンルーム内の目に見える場所であればエアコンガスの漏れチェックができます。
一度チェックしてみてはいかがでしょうか。