点検で入庫した、スバルのインプレッサにお乗りのお客様からの要望。
「エンジンをかけているとエンジンルームの方からガラガラと音がする。」
アイドリングから走行中も音がするとのこと。
エンジンの不調感はないものの、最近だんだんと音が大きくなってきたので心配とのことなので、
ご来店していただき音を確認しました。
ご指摘どおり、
エンジンをかけた時から「ガラガラガラ」や「ガーーー」という音がエンジンルームの中から聞こえてきます。
スバル GP型インプレッサのエンジンルームからの異音。原因は?
明らかにエンジンルームから音が聞こえてくるので、原因はエンジン周りにありそうです。
アイドリングのまま、エンジンルームを開けるとさらに音がはっきり聞こえるようになりました。
まずはエンジンの内部が壊れてないかの簡易的なチェックでエンジンオイルの油量ゲージを抜いて点検してみますが、特に鉄粉の付着もなく良好と判定。
音の方位からしてエンジン前方(フロントバンパーが着いてる方)から音がします。
エンジン前方にはバッテリーを充電させる発電機やエアコンを効かせるコンプレッサーがあります。
それを駆動させるためにベルトを使ってエンジンから動力を割いているのですが、
どうやらベルトまわりからガラガラ音が発生しているようです。
試しに一度エンジンを止め、ベルトを取り外してエンジンをかけると音は発生しなくなりました。
エンジンには、ベルトを張らせる為のテンショナーやアイドラプーリーというものがついているのですが、滑らかに回転させるためにベアリングが内蔵しています。
ガタがないかひとつひとつ、テンショナーやアイドラプーリーを手でゆすっていくと・・・
アイドラプーリーのひとつにガタがありました。
スバル GP型インプレッサのエンジンルームからの異音はこうして直した。
今はエンジン不調もなく音だけで済んでいますが、
このままガタが進んでいくといずれアイドラプーリーが脱落し、ベルトが外れます。
ベルトが外れてしまうとエンジンから動力をもらっているエアコンは効かなくなります。
発電機が止まればバッテリーの充電も止まり、エンジン制御に使っている電力も供給されなくなります。
電力がなくなればエンジン制御が止まり、エンストにつながります。
また、今回はガタの出ているアイドラプーリーは一つでしたが、他のアイドラプーリーやテンショナーも同じくらい使用されているものなので、今後ガタが発生するリスクがあります。
お客様には、今現在ガタの出ているアイドラプーリーの交換と一緒に、一緒に使われている他のアイドラプーリーとテンショナーの交換も同時にご提案し、了解を得ることが出来ました。
その後、
ベルトの張りに使われているアイドラプーリー2つとテンショナー1つを交換し、音の発生はなくなりました。
まとめ
エアコンや発電機を回しているベルトをエンジンの補器ベルトといいますが、ベルトは定期交換部品で、ベルト交換の提案というのはよくある話です。
しかし、年数や走行距離がかさんでくると今回の様にベルトを支えているモノの方にもガタがでてくるケースがあります。
ベルト交換の際には走行距離も加味して、テンショナーやアイドラプーリーの交換も検討してみてください。
また、GP型インプレッサのエンジンは工具の準備と作業方法さえわかれば、今回お話した作業はご自身できる程度の難易度ですが、
手の巻き込み事故防止のため作業中は絶対にエンジンがかからない様にしてください。
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